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対峙の気息を示すも敵尚かからば、一撃に制する

残心

​残心放心は事により時に従うものなり

我れ太刀を採りては常に意の心を放ち心の心を残すものなり

又敵をたしかに打つとも心の心を残す。

打つときは心残りのなき様、打ちたる時は心残りのある様

​打ち過ちたる心残りのある様に、

気合(古書)

​気合とは全身に気力充実し寸分の油断もなく精神を統一し精気を丹田に集中

無想の境地に入り機に臨み決河の勢いで虚空を破り入らんとするの気勢が

是れ気合である。

​大声で跳び廻る許りが気合の充実とは言えない。

初心者は宜しく充実した気力満身の勇気揮身の体力を傾倒して修練の行を積み重ね気合と其の活用とにより自得すべきである。

呼吸法(古書)

​武士は常日頃死に臨む時の事を考え業を習うべきである

其業を習う時にも常の心を失わない様に心を静め気をおさめる事である、

されば常に潔よき掛声をしつゝ習うべきである。

求めずして自らの声の出るのは万事物事を扱う者のことを思えば判る、

然るに猥りに声をかけ保つべき息をつづめ、早く疲れもするのは悪し声を重ねてしげく出すのは息にかゝわって悪し、

​抜き斬りする時に呼吸を呼うて、次の抜刀を育てる様心掛けて大きな呼吸をし疲れて呼吸をする時は荒くなるので自然と太刀筋も乱れて相手に乗せられ易いものであるから平素より心掛けねばならない。

出典:森永清 著 戸山流居合道  昭和54年版

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